zoomで授業(その13=最終回)

今回の第13回がオンラインでの最終授業でした。開始した当初は、先が見えない状況でしたが、最後までオンラインのみで完結したことになります。

ネットワークやPCなどの端末が整っていない学生さんは本当に大変だったと思いますが、初期の頃に比べてzoomで右往左往することは無くなり、ツールやアプリもかなり使いこなしてくれるようになりました。

第4回(5/18)のアンケートでは、Google系のクラウドアプリ・ツールに不慣れ、さらにzoomと同時に使う事には大きな不安を感じていた学生達が、いまではサクッと使えているというのは大きな進歩だし、見ていて安心できます。

数字で見ると、5月時点でGoogleスプレッドシート、スライド、フォームの習熟度(自己申告)が合算で5段階中の平均が3.1だったのが、今回は3.6と順調に上昇、今回始めて触ったJamboadも3.0と多くの学生が自信を持って使えるようになってきました。

Zoomでビデオ会議しながら、並行してクラウドアプリを使う、という方法も、当初は不慣れで、5月段階では41%が「両方を操作するのは難しいので、一つだけにして欲しい」もしくは「使うならMSアプリ」という回答でしたが、今回は、70%が「慣れてきたので今後は問題無い」と回答しています。

(上記が5月段階での回答、下記が最終回のアンケート)


学年も異なれば、環境も違う学生たちが遠隔でグループワークを行うというのは、対面教室に比べるとかなりストレスが多かったと思います。当初はレポートの中で、グループを変えて欲しい、とか、サボっている人と一緒にいるとグループの評価が下がってしまう、とか神経質なコメントを寄せる学生もいましたが、回を重ねると次第に仲間意識が芽生え、協力し合うエネルギーが上回っていったのか、ネガティブコメントも出なくなっていきました。「他の授業に比べてグループディスカッションが多く、zoomを通してでもグループ課題や発表はできるんだなと驚きました」といったコメントを見ると、学生自ら好奇心を持って前向きに取り組んでくれたことが一番大きいのかなと思います。

本格的にグループワークを行うようになってからはGoogle Classroomを使い、各グループ専用のサブクラスを設定し授業時間以外にも資料の共有や意見交換ができるようにしました。リアルタイムコミュニケーションツールとしてはLINEのほうが便利なので、Classroomに加え、LINEグループを作ってグループワークを進めた所も多数ありました。アンケートの結果からもGoogle Classroomの活用は有効だったと言えます。

授業資料について

最初の授業は、事前配布資料無しで行いましたが、学生の環境によっては画面がフリーズしたり、接続が切れて戻った時には、どこをやっているのかわからなくなる、という問題の指摘があり、2回めからは授業スライドは(ネタバレ部分を除き)事前に配布するようにしました。

毎回授業終了後に動画を編集してアップ、しかも最初の頃は録画ボタンを押し忘れたり、録り直しも何回も行ったのでオンデマンド対応はかなり大変でした。しかしながら、学生さんから、ネット接続不調、体調不良や就活等で出席できず、オンデマンド動画があって助かった、というコメントもたくさんいただき、オンライン授業にはオンデマンド動画は必須だと思うようになりました。もう少しパワフルなマシンなら編集、エンコード作業をもっと短時間で、かつ高品位にできるのに、と思っていますが、それは将来のお楽しみにとっておきます。

対面授業について

アンケートの中では「もし対面授業が可能になったら」という設問も入れました。今回、苦労してオンライン授業をやりきったからかもしれませんが、「全部オンラインでもかまわない」という回答が三分の一を超えている、というのはインパクトあります。また、教室とオンラインのハイブリッドをあわせると8割近くが「オンライン支持」というのは、今後の授業の構成や進め方を考える上で、大きな示唆になるでしょう。

最後に nps (Net Promoter Score=顧客ロイヤリティ指標)を測定してみました。回答いただいたの(n=23)は好意的な学生が多いという所は割り引いて考えるべきですが、推奨者(61%)から批判者(4%)を引いたスコアは、+57と、非常にポジティブな数字となり、大変ありがたい評価だと思っています。

また、推奨の理由には「課題や授業のボリュームとしては少し大変に感じることもありましたが、それ以上に学ぶことが多く、ためになったから」「普段は商品やサービスを利用するばかりで、企画や開発などの段階に携わることはないため、企画案を出すところから始めてブラッシュアップしていき最終的に発表するという体験の中で、学びがたくさんあったため」「音楽をツールとして、今後音楽に携わる人にとって必要な知識が盛り沢山だから」などのコメントをいただいています。

アンケートの集計、個人課題(レポート)の提出と評価などまだ積み残しはありますが、ひとまず、全13回のオンライン授業レポートはこれにて完結、といたします。

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