zoomで授業(その5)

オンライン授業も5回目ともなると落ち着いてきて、新しいことに挑戦できるかな、という期待もあり、ペアワーク中心のワークショップを実施。
結果は、ネット環境とzoomの仕様にやられてしまいました。


前回アンケートでzoomと並行して他のアプリを使うことを前提に授業を組むのはハードル高い(35%がzoomとGoogleDrive/スプレッドシートの同時使用は勘弁して欲しいと回答、ちなみに、使える+なんとか使える合わせて58%)ことがわかっていたので、リアルタイムの共同編集などは一切止め、カメラ越しに手書きの紙を見せ合う、というアナログな手法にガラッと変えて、内容、進行方向も全面刷新しました。


ブレイクアウトの開始、停止、再開は鬼門だろうと想像し、事前に何度も実験&練習したのですが、本番の難しさはその程度で解決できるものではありませんでした。考えてみれば、同一環境に4台くらいの疑似クライアントを置いた実験と、50人で端末もPC、スマホ・タブレット混在、ネット環境も様々な実態とは乖離しすぎです。


まず第1回目の個人ワークをやってもらっている間に事前割り当てしていたペアを当日の出席状況に合わせて再設定。事前CSV作成時は、スマホ・タブレットの学生、環境的に厳しい、休みがちな学生などを近いグループに置いたつもりでしたが「事前に割り当てられているルームに復元」を押したところ、一部アサインが外れている学生がいたり、リストと画面を照合するのが大変でした。そもそもzoomの謎仕様で、ルームの並びが1から順番に並んでない、どのルームに誰が入っているか確認するだけでも大変です。
えいやっ、で割当を決め打ちして、ペアワークの説明を一通りした後、実際のブレイクアウトに突入しました。


初めて早々、ルームに入れない人、はじかれて会議室そのものから出される人、焦って何度も出入りを繰り返す人。
一人しか入室しておらず、手元のリストを元にペアを探すも(こちらも焦っているので)見つからない、「未割り当て」に居て、入るべきルームを探して入れたはずなのにまた戻ってきたり、そもそも未割り当てリストに名前が上がってこない、など原因不明も含め問題を抱えたまま進めざるを得ない状況です。しかも、今回はペアワーク、個人ワークを繰り返すので、それが毎回発生するというカオス。


元々、ペアが組めない学生には、個人ワークのメニューも用意して、説明もしていたので、問題が解決しない学生には、個人ワークを続けてもらう、ということで授業はなんとか進行させました。


ペアワークの問題は、いわばネットワークエフェクトで、一人に不具合が発生すると相方が居なくなるのでもう一人も立ち往生、となります。単純に言って50人のうち5人トラブれば20%、10人なら4割もの影響が出ると言う難しい状況になります。結果的に、今回はちょっと無謀なことをやっちゃったな、学生には申し訳なかったな、と反省しています。
そんな中、学生のレポートを見ていると「ペアワークで第三者の意見を聞くことで、新たな価値が見いだせてよかった」「またペアでのワークショップをやりたいと思った」といったコメント。「自分1人で問題を見つけ解決策を考えることはハードルが高いと思っていたが、このように身近なところから発見でき、案を出すところまで進められたのでとてもいい経験になった」個人ワークでもしっかりやりぬいてくれた報告もあり、すこしほっとしています。


毎回、オンデマンド用のビデオを作っています。ブレイクアウト部分はホスト側では録画できないため、その部分だけカット。ペアワークできなかった人向けの解説も授業の中で入れてますが、その部分をオンデマンド用スライドとコメントに差し替えしました。ペアワークが4回、個人ワーク4回分を切り貼りするのは時間もかかり大変です。でも、それがないと回線不良などでライブ授業が中途半端に終わった学生は困ってしまうので、即席の編集(iMovie)ですが何とか当日中にアップすることができました。(ブレイクアウトルーム内でメンバーが録画し、それをホストが集めて編集するという荒技もあるようですが20を超えるルーム数ではそもそも無理があります)

追加実験で分かったこと2点をメモしておきます。

(1)ブレイクアウトで再割り当てができない問題

一度ルームに入った(入ろうとした)のにトラブルでルームを退出した後、部屋に戻れませんとヘルプコール。戻そうとしても、未参加(グレーアウト)にもかかわらず再割当てできないという問題がありました。実験した所、ルームから退出ではなく会議室から一度出て、再入室した所、再度割り当て可能ということが確認できました。

(2)チャット画面で、返事が他の人あてになってしまう問題

チャットで個別のメッセージが入った場合、あわてて返事すると他の人に回答したことになっていて大慌て。ということが何度かあり、実験で確認しました。チャットの送付先が、前メッセージ送付時の宛名のまま残っていることが原因でした。メンバーが50人もいるとリストから選択するのは大変ですが、送付元の名前をクリックすると自動で宛先が変わることが判明。気がつけば当たり前ですが、知らないと無駄な作業に時間をかけてしまいます。

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